フルミスト®

(経鼻インフルエンザワクチン)

針を使わない新しいインフルエンザワクチン

1. フルミストとは

フルミストは、直接鼻の中へ噴霧するタイプのインフルエンザワクチンです。痛みなく接種することができるのが最大の特徴です。2003年に初めて米国で承認され、36の国と地域で使用された実績があります。日本でも2024年から国内で使用されはじめており、2025年から台東区で助成が始まりました。

実際に接種している動画をみるとイメージが湧くと思います。

2. フルミストの特徴

  • 痛くない:鼻の中に吹き付けるワクチンなので、注射針を刺す痛みがありません。
  • 1回で接種終了:注射だと2回接種が必要な13歳以下のお子様でも1回でワクチン接種が終了します。

3. 有効性

日本小児科学会の見解では、フルミストと注射のインフルエンザワクチンの有効性は概ね同等とされています。日本小児科学会から経鼻弱毒生インフルエンザワクチンの考え方が公表されていますので参考にしてください。厚生労働省の審議会資料にも、フルミストと注射のインフルエンザワクチンの有効性には、明らかな違いはみられなかったとされています。
風邪やアレルギー性鼻炎で鼻が詰まっていると、フルミストの効果が減弱する可能性があります。

4. 接種対象者

2歳~18歳の方

点鼻のため、顔を動かしてしまうとうまく投与できません。じっとしていられるお子様が対象です。
うまく投与できなかった場合でも、やり直しはできません。

5. 接種に注意が必要な方

  • ワクチン成分(卵・ゼラチン等)への重度アレルギーがある方
  • 心血管・腎臓・肝臓・血液疾患、発育障害などの基礎疾患がある方
  • 免疫不全がある、または免疫抑制治療中の方
  • 過去にけいれんの既往がある方
  • 妊娠中または妊娠の可能性がある方
  • 重度の喘息がある、または最近発作を起こした方
  • 川崎病などでアスピリン服用中の方
  • 免疫不全の方、免疫の低下している人、乳児と日常的に接触する方

6. 料金

8,600円(税込)
台東区の助成がある方は4,000円(税込)(2歳以上、中学生3年生まで)

7. 支払方法

お支払いには、現金とクレジットカード(クロンスマートパス)をご利用いただけます。
クレジットカード払いをご希望の場合は、事前にクロンスマートパスの登録が必要です。詳しい登録方法はこちらをご覧ください。

当院は10月からインフルエンザワクチン接種が始まり、冬には感染症が流行し混雑が予想されます。
ご来院前にクロンスマートパスにご登録いただくと、スムーズにご案内できますので、ご協力をお願いいたします。

8.副反応

主な副反応は、鼻水・鼻づまりなどの軽い風邪症状で、約6割の方に認められます。
約1割の方に咳やのどの痛み、発熱、頭痛などが出ることがあり、数日続く場合があります。
また、他のワクチンと同様、まれにショックやアナフィラキシー、じんましんなどの副作用が起きる可能性もあります。

9. 当日の持ち物・流れ

当日の持ち物・流れに関しては、2025年度インフルエンザワクチン 注射・フルミスト(経鼻ワクチン)のページをご覧ください。

10. よくある質問

Q:注射とフルミストでは、どちらを選んだらいいですか?
A:注射を選んだ方がいい方:フルミストの接種に注意が必要な方に当てはまる方、長年の使用実績があるワクチンがいい方、妊娠中の方
フルミストを選んだ方がいい方:フルミストの接種に注意が必要な方に当てはまらない方、1回がいい方、痛いのがイヤな方

Q:フルミストの前後に他の注射をする場合、どのくらい接種間隔をあければいいですか?
A:目安は1週間です。フルミストは他のワクチンと同時接種が可能ですが、当院では副反応の見分けを明確にするため、フルミストと他のワクチンとの接種間隔を1週間空けることを推奨しています。

Q:ワクチン接種前に発熱がある場合はどうしたらよいですか?
A:37.5度以上の発熱、風邪症状がある場合は接種を控え、治癒後1~2週間程度あけてご予約ください。新型コロナウイルス感染症に罹患した場合は、治癒後2~4週間程度あけてご予約ください。

Q:鼻汁が多い、鼻閉がある場合にフルミストを接種してもいいですか?
A:ワクチンの効果が減弱する可能性がありますので、症状が治るまで接種を延期するか、注射のインフルエンザワクチンを接種した方が良いでしょう。

Q:フルミスト接種前に、鼻をかむ必要がありますか?
A:規定はありませんが、鼻汁が多い場合は投与前に鼻をかんだ方が良いかもしれません。

Q:フルミスト接種後に、すぐにくしゃみをしたり鼻をかんだりしても大丈夫ですか?
A:問題ないようです。

Q:接種後の注意点はありますか?
A:フルミストは接種後は鼻汁中にワクチンウイルスが排出されるため、1~2週間は免疫不全の方、免疫の低下している人、乳児との密接な接触を可能な限り避けることが推奨されています。入浴など通常の生活は可能ですが、激しい運動は控えてください。

Q:フルミストと他の点鼻薬は併用できますか?
A:フルミストは他の点鼻薬との併用に制限はありません。

Q:同一シーズンにフルミストと注射のインフルエンザワクチンの両方を接種することはできますか?
A:同一シーズンに両者を接種した場合の有効性・安全性に関する情報はなく、当院では推奨していません。

Q:フルミスト接種後にインフルエンザ迅速検査が陽性に出ることはありますか?
A:フルミスト接種後の1週間程度は、インフルエンザ迅速検査で陽性反応を示す可能性が報告されています。